歯の痛み=虫歯ではない?

歯の痛みを感じるのは、歯の内部にある「歯髄」と呼ばれる神経に刺激が与えられるからです。
そこから脳にシグナルが送られることによって、痛みは起こるのです。
刺激が全て脳に送られるわけではありません。
ある一定のラインともいえる閾値を超えた瞬間に、いきなり痛みの刺激だけが送られるのが特徴です。

このとき歯髄が送っている感覚は、痛覚だけです。
歯の外側にあるエナメル質は無知覚なため、たとえ削ったりしても、刺激を歯髄に伝えることはありません。
ですが歯の内側の象牙質は、歯髄に刺激を伝えてきます。
歯の痛みは放散痛を起こしやすく、原因となった歯の周囲に痛みが拡がってしまいます。
痛いと感じた場所が手前でも、実際には奥の歯に原因があったりします。
上の奥歯が痛いと感じたのに下の奥歯が原因だったと、自分では痛みの原因歯を特定することがとても難しいのです。

歯が痛い時には虫歯になったと考えがちですが、もっと厄介なのが「歯周病」です。
歯周病とは「歯の周りの組織に化膿性の炎症による病気」のことをいいます。
最初の症状はほとんど痛みもないままに進行していき、次第に歯肉や歯茎に炎症が起きて腫れる「歯肉炎」になります。
そのうちに口臭がするようになったり、歯がぐらぐらと揺れる「歯周炎」へ進行してしまいます。

また歯周病の中でかなり進んだ末期症状を「歯槽膿漏」と言います。
最悪の場合は、歯を抜かなければならなくなるといったことも珍しくはありません。
歯が抜けてしまうのを防ぐためには、その手前である「歯肉炎」や「歯周炎」の段階での早期の治療が大切になってきます。

他の原因で歯が痛く、診断の結果で虫歯や歯槽膿漏ではないことが確認できれば、そのまま経過を見てみるのも必要です。
「知覚過敏」などは、噛み合わせの調整すると症状が落ち着くことも多くです。
いつの間にか気にならなくなっていることも、珍しいことではありません。

ただ痛みに耐えかねて、歯の痛みを取るために、歯の内部の神経を抜くことは、病院でもできるだけ避けています。
なぜなら歯の神経を抜くと、歯の変色や劣化などがおこり、歯の寿命が短くなるからです。